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2017年11月14日火曜日

(1056) 「市場規範」と「社会規範」。ボランティアの無償性 / 「ソーシャルシティ」(5-3) (放送大学)


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(K0197) お店を持つ / 「定年女子」研究インタビュー(11) <定年後>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2017/11/k019711.html
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 ボランティアは、無償でなければならないのか。

 私は、無償を基本としつつ、「交通費や材料費や会場費などの実費の全部あるいは一部」を徴収するが、人件費的なものは含まないのがよいと思う(補助金や助成金で賄えるものは賄う。支払い能力を考慮して有料にする方が良いこともある)。色々な意見があってよいが、私はキャッシュの移動がないのが好ましいと思う。

 

ボランティアで無償のほうがうまくいった事例がある。

===== 引用はじめ

 全米退職者協会が、困窮する退職者のために、低賃金で相談にのってもらえないかと弁護士に依頼したところ、これに応えてくれる弁護士はほとんどいなかった。

 ところが、無報酬で相談にのってほしいと依頼したところ、今度は多数の弁護士がその役を自ら買って出た。

 このように、人はしばしば無報酬の場合の方が、少額の報酬を支払われる場合よりも熱心に仕事をすることがある。少額であっても、お金という媒体が持ち込まれた途端、人は市場規範に基づいて行動するようになり、自らが支払うコストに見合うだけの対価を要求するようになるからである。

===== 引用おわり
 

「市場規範」について説明すると、

===== 引用はじめ

 D.アリエリーは、人間の意思決定の背景には、市場規範が支配する世界と社会規範が支配する世界の二つの世界がある指摘している。

 市場規範が支配する世界では、お金を介した合理的なやりとりが行われるのに対し、社会規範が支配する世界では、人と人との関係の中で暗黙裡に守られている規範(例えば、助け合いの精神など)がもとになっている。そのため、市場規範が支配する世界のもとでの人の振る舞いと、社会規範が支配する世界のもとでの人の振る舞いはまったく異なるというのである。

===== 引用おわり

 
出典
森津太子、「第5章 消費者の意思決定」、川原靖弘・斎藤参郎、「ソーシャルシティ」、放送大学教材(‘17)

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