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2017年6月26日月曜日

(916) 中国文化と儒教 / 仏教と儒教(9)


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儒教は古代中国において成立する。春秋戦国時代、諸子百家といわれる思想家群が出現する。これらの諸学派は、陰陽家・儒家・墨家・法家・名家・道家の六家などとも分類される。この一つが儒教である。儒教が思想としてまとまるのは孔子・孟子においてである。儒教が成立する意味、仁・義という思想について考える。また儒教が体系として完成するのは、十二世紀の朱子による。今日のいわゆる儒教文化圏が形成される所以である。ここでは朱子学・陽明学の構造を理解する。
 

【構成】
 古代の中国文明
 中国の古代思想
 儒教の思想
 倫理と宗教
 儒教体系の成立-朱子学と陽明学

 

<各論>

 古代の中国文明
 (略)


 中国の古代思想
 (略)


 儒教の思想
 古代中国の思想として、最もまとまった世界観を示し後世に影響があったのが儒教である。孔子は「仁」(人間関係一般においてひとを愛すること)と「孝弟」(家族の関係において親孝行であることと年長者に従順であること)を説いた、孟子は「性善説」(人間の生まれつきの気質は善であること)を説いた。


 倫理と宗教
 日本では、「儒教」を「孔子を祖とする学派の教え」、後者を「孔子の教えの学問」として区別することはない。宗教としてあるより倫理として意味がある。日本儒教の課題は、「四書五経」を解釈し「五倫五常」を学習することにあった。


 儒教体系の成立-朱子学と陽明学
 朱子学の新しい部分は、儒教に「理」「気」などの概念を取り込み、四書および五経を体系的に解釈したところにある。壮大な宇宙論にはじまり、あるべき天下国家を論じ、日々なすべき実践にいたるまでを包括的に論じた。

【Ⅰ】 存在論-「天人合一」
 朱子学の存在理解の基本となるのは、中国思想の古くからの伝統である天人合一という考え方である。天と人とのあり方は、構造あるいは形態として対応している。人のあるべきありようとは、厳密に天と相即する。厳密に天と相似であることによって、人の行為は天の運行に即するものとなる。

【Ⅱ】 人間論-「聖人学びて至るべし」
 天人合一を完全に実現した人間を聖人という。学問の目的は、この聖人になることである。聖人はすべての「理」を実現する。「理」とは、物を物たらしめる根拠であり、その物がいかなるものであるかを規定する意味である。

【Ⅲ】 実践論-「居敬・窮理」
 朱子学では、「居敬・窮理」の二つの実践が公式の学問として提案された。「居敬」は、人の内面の確立を目的とする。主体性の究極的な向上をめざす。「窮理」は、外部の理(あるべき姿)を知ることを目的とする。

 南宋の朱子学は、明において王陽明による新しい展開を迎えた。陽明学は、実践を中心とし、朱子学の「窮理」を重視しない。「知行合一」などの陽明学の思想が展開された。


引用
高島元洋、「第九章 中国文化と儒教」
竹村牧男・高島元洋編、仏教と儒教~日本人の心を形成してきたもの~、放送大学教材(2013)

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